絵は窓のようなものだと思う。
幼いころに初めて見た絵は、大好きなお話のある絵本のページ。
そして17歳の頃、ムンクの少女に出会った。
それからずっと、そういうことを忘れていたのに
ある夏、軽井沢の美術館で出会った絵は、窓の外の風景と絵と、どちらが本当に私の居る世界なのかわからなくなるような絵だった。
自分の体をとりまく風景から、小さな窓をくぐりぬけて
見たことのないようなあるようなところに行くことができたら
そんな時間が持てたら
ずっとそんな絵に憧れている。
2016年2月 高橋 敬子